こんにちは。さわデンタルクリニックの歯科衛生士です。
今日は歯周病と認知症の意外な関係についてお話していきます。
まず歯周病とは何かを説明します。
歯周病とは
歯周病とは歯を支える歯周組織が細菌(プラークの塊)によって炎症を起こしたり破壊される病気です。口の中には400~700種類くらいの細菌がいると言われていますが通常は悪さしません。
しかし、不十分な歯みがきや甘いものを多くとることによって歯と歯ぐきの境目にプラークができどんどん増えて歯ぐきに炎症を起こします。
歯周病は沈黙の病気とも言われるように、ほとんど痛みがなく進行し気づきにくいのが特徴です。
そんな歯周病がどうして認知症と関係するのでしょうか?
1.炎症が全身に与える影響
歯周病によって引き起こされる慢性的な炎症によって出血した組織から体内へ歯周病菌が入ると、全身のあちこちの臓器で炎症を起こす可能性があります。この炎症物質が脳にも影響を及ぼし認知症の発症、進行に関係しているのです。
2.歯周病菌の脳への侵入
歯周病菌が脳へ入ることによって認知症の発症因子のアミロイドβが蓄積され、発症の進行を招きます。歯周病菌の中でも毒性の高いことで知られるポルフィロモナスジンジバリス(P.G菌)という菌がいます。アルツハイマー型認知症の患者の脳から、このP.G菌が高頻度で検出されたという研究結果が出ています。逆に正常な人の脳からは検出されなかったそうです。
また、慢性歯周炎のある人はない人と比べて1,7倍もアルツハイマー型認知症の発症リスクが高まると言われています。
3.血管性認知症との関連
歯周病は動脈硬化や血栓を引き起こし、脳への血流を低下させ、血管性認知症のリスクを高めます。
歯周病は予防できる疾患です!
歯周病と認知症の間にはこのように様々な関係があることが分かっています。お口の健康を保つこと=脳の健康を守る事に繋がります。ぜひこの機会に、ご自身のお口のケアを見直してみましょう。
予防ポイント
1.定期的な歯医者への受診
早期発見、初期治療が可能になります
2.正しい歯磨きの仕方
どこが磨けていないのか歯科衛生士によるチェックをしてもらいましょう
3.健康的な生活習慣
バランスの良い食事、十分な睡眠、運動習慣が大切です
4.禁煙
喫煙は歯周病のリスクを大幅に高めます。歯周病を改善させるには禁煙が必要です。